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1分間の医学講座.134
MM
ゆうです(^^*)
約8ヶ月振りの配信になります。これからも細々と続けていきますのでよろしくお願いします(^^)
過去記事こちらにありますので参考にどうぞ。
⇒http://nanos.jp/mwyk/blog/3/
こちらも地味にアップしていきます。
▼今年は特に暑い夏となりそうですが、日射病、熱射病と言われている患者さんが増えていることがニュースにもとりあげられているのは皆さんもご存じかと思います。
簡単に言うと塩分を含んだ水分補給、腋の下、太股の付け根など太い血管が走っているところを冷やす、涼しい所で休む。
この3点に尽きます。
以下細かい話です。
症状としては医学的には次のような分類にわけられています。(簡略化してあります)
I度(軽症)
足のふくらはぎがけいれんする(こむら返り)、または立ちくらみだけです。
II度(中等症)
強い疲労感、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、 体温の軽度上昇です。
III度(重症)
III度の主な症状は、38度以上の高熱に加えて、
(1)突然意識を失う(意識喪失)。
(2)わけのわからないことを話し始める(せんもう状態)
(3)急なふらつき(小脳症状)
(4)けいれんなどの脳神 経症状です。しかも、III度の段階では脳機能障害だけでなく、体内では肝臓・腎臓などの臓器障害と血液凝固系の障害が起きていることが多く、死亡の確率もとても高くなります。このためI度あるいはII度の段階での早期発見・早期治療がとても重要なのです。
III度でも突然意識を失う前に、うわごとやわけのわからないことを叫んだり(せんもう状態)、歩行・ランニング中にふらふらする(小脳症状)ことがあります。意識喪失の前に現れるせんもう状態と小脳症状を見落とさず、できるだけ早く救急の医療機関へ運び治 療を開始することも生死を分けることにつながります。
症状別治療方法とポイント
I度(軽症)の失神、こむら返りの症例は水分の経口摂取で軽快します。真水よりもスポーツドリンクの ように塩分と糖分を含んだものを摂取します。こむら返りが強く持続する時は点滴も有効です。
II度(中等症)では中等度以上の脱水と電解質が失われるため、直ちに点滴(輸液)と暑熱環境の回避、 経過観察を必要とします。II度のレベルで適切に対応し治療すれば回復は容易ですが、逆にII度であっても 誤診や放置したり、誤った治療を行えば重症化しIII度 に移行あるいは死亡することもあり、十分注意しなければなりません。
III度(重症)では、死亡の危険性が極めて大きいため緊急入院・厳重な全身管理と治療が必要です。III度の症例における臓器障害は、(1)高熱と(2)脱水に伴う循環障害の両者によって引き起こされます。(2)循環障害は発汗不全を生じ、これが(1)高熱を悪化させ、臓器障害をさらに悪化させる、という悪循環が発生するのです。
この悪循環を断つために次のことが大切です。
(a)深部体温が38.5℃以下になるまで身体冷却を行うこと。身体の冷却のためには衣服を取り去り、身体の表面に水またはアルコールを霧状に吹きかけ、扇風 機などで送風することが最も効率的です。足の付け根(そけい部)や首筋(頸部)、脇の下(腋窩)を氷嚢 などで冷却することも重要です。以上の方法でも体温が低下しないときは、胃・膀胱を冷やした生理食塩水で洗い流す深部冷却法も併用すべきです。
(b)不足している水分を補うための初期の急速な点滴(輸液:生理食塩水あるいはラクテック250ml/時で開始)を行うこと。熱中症III度の高熱は、環境温 によるものだけでなく、脱水・循環障害による発汗不全によるところが大きいのです。このため、高熱を下げるためには身体冷却のみでなく、脱水・循環不全を補正するための大量の点滴(輸液)も必要です。
(c)障害を起こしている各臓器への対応を行うこと。脳神経、肝臓・腎臓、血液凝固系の障害の有無と障害の程度をチェックすることは、治療方針を決定する上でも重要です。
熱中症の救急処置は「FIRE」(ファイヤー)と記憶(予防もこれに準じます)
熱中症における臓器障害の抑止には、水分補給と体 温を下げることがキーポイントとなります。スポーツ・教育現場での「FIRE」処置は具体的には次のよう になります。いざというときにそなえて覚えておきましょう。
F(Fluid)・・・液体(水+塩分)の経口摂 取、または点滴
1. 意識があれば、スポーツドリンクなどを飲ませる。意識が混濁していればできるだけ早く点滴を開始する
I(Ice)・・・身体の冷却
2. 衣服を脱がせる 3. 氷嚢または冷えたカンジュース等で首筋・わきの 下・足の付け根など大きな動脈が触れる部位を冷却 4. 氷嚢または冷えたカンジュース等で首筋・わきの下・足の付け根など大きな動脈が触れる部位を冷 却 5. うちわや扇風機で風を送る
R(Rest)・・・運動の休止・涼しい場所で休む
6. 涼しい場所で休ませる。可能であればクーラーのある部屋へ移す
E(Emergency)・・・「緊急事態」の認識・ 119番通報
7. 119番通報・救急車の手配 8. 意識状態のチェック 9. 体温のチェック(現場での体温は熱中症診断に役立つ重要な情報です) 10. 医療機関に到着したら、倒れた現場での状況、気温、スポーツの強度・練習時間などを担当医に話す。
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