今月の課題図書
ブレイディみかこ
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (新潮文庫)

3秒待って
2022/2/20 13:23

私の旧姓は『秦(ハタ)』という。
「どのような字ですか?」「秦始皇帝のシンです。」「は?」「神奈川県の秦野のハタです。」「え〜と?(汗)」「春という字の中の日が、ノギヘン、秋の火じゃない方です。それで分からなければ「検索してください。」
漢字一文字苗字で、名前が真理子の三文字。
『秦』は画数が多い。名前も『子』以外はやっぱり画数が多く、1:3のバランスが取りずらく書きにくいことこの上なく、習字は苦手だった。
小学校には一文字苗字の子は他におらず、転校生でもあった私には『私は少数派である』と認識するには充分すぎる事柄であった。

中学に進学すると、同じクラスに『魏(ギ)」『徐(ジョ)』という一文字苗字の子を発見!
さすが横浜だわ~と感動、やっぱり中華系の人も少なくないんだなと勝手に納得したものである。

うちの祖先をたどっていくと
『秦河勝』(聖徳太子の側近← 「日出処の天子」に頻出。)にいきつく。
渡来人ではあるのだが、聖徳太子の時代には日本で要職に着いていたのだから、もはや日本人を名乗っても問題あるまい。

いや、『日本人を名乗っても問題あるまい』という感覚が、今や問題なのだ。

本にもあったように、子どもの時(保育園の頃)は、国籍とか見た目とか関係なくごった煮の中で互いを差別も区別もすることなく同じ目線で交流。その後、周りの大人の発言で『あの人は違う』という認識を疑わず、そういうもんだと刷り込まれていく。

ヒンシュク覚悟で言うと、
祖母はオリンピックで活躍する選手を見て「あの人が早いのは当たり前よ。国では槍持って獲物を追いかけてる土人でしょ!」と言い放っていた。大正生まれ、無理もない。当時の人々の認識はみんなそんなもんでは。
その無意識下に埋め込まれた認識が、大坂なおみや八村塁の活躍に「遺伝子が違うもんね〜」サニブラウン選手やケンブリッチ飛鳥選手の活躍に「日本代表?ふーん」と思ってしまう感覚に繋がっていく。

オリンピックでも、ヘイト問題の表面化が著しかった。
無意識下でのコントロールは難しくとも、意識下に表れてきたのならひとまず一時停止する事は可能なはず。
発言前、3秒止まって考えよう。
それは出してよいことかな??

吉田真理子
作品の意図

今回の課題本は読み切るのになかなかの努力を要しました。
サクッと読めない。
なんでかなぁ?と思ったが、読み進めるうちにいちいちカタカナ語句に引っかかるからだと判明しました。
意味が分からないものはGoogleさんに聞かないと話が進まない。カタカタ語句の後に(かっこ)で日本語訳が書いてある文章が長々とあちこちにあって、正直うんざりし、とうとう途中でほおり出してしまいました。
要は差別の話でしょ?と勝手にざっくりまとめ、ちょうど
オリンピックでヘイト問題も噴出していたのでそこに絡めて書くことにした。
そんな作品です。

尚、本は
後日通勤のおりに、電車で何とか読み切りました。

以上。