「山奥ニート」やってます。 https://www.amazon.jp/dp/4334951651?ref=ppx_pop_mob_ap_share

光文社 (2020/5/20)
発売日 ‎2020/5/20
言語 ‎日本語
単行本(ソフトカバー) ‎321ページ
ISBN-10 ‎4334951651
ISBN-13 ‎978-4334951658
内容(「BOOK」データベースより)
#家賃0円、#リモートひきこもり、#限界集落。嫌なことはせず1万8000円(月額)で暮らす方法。「なるべく働かずに生きていく」を実現したニートがつづる5年目の記録。

著者石井あらた(いしい あらた)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー エッセイ ここから
山か海か
2022/10/21 18:40

山に籠もる生活を何度かしてきた。
キャンプ指導員だったり,スキーインストラクターだったり、リゾート施設で提供されるアクテビティ(エアロビクス,ストレッチなど)要員だったり、ペンション居候(住み込みで業務を手伝いながらスキーの修行をする)だったり…年間100日超える年もあった。
確かに山奥にいると、ほぼお金は使わない。
せいぜい、おやつを買う程度。
そのままずっと居たら、少額なりにお金も貯まる。
世の中2000万円ないと老後が心もとないと言われる中、なんとも安心出来る話ではないか。

衣食住が担保されていて、やること(生きてくための収入源を得る行動とやりたいこと)があれば
シンプルに生きられる。全て自給自足の生活ではなく、電気ガス水道ネットのライフラインが最低でもあるなら、どこにいてもなんとかなる。

じゃあ、それでいいじゃん?
となるかならないか。
問題はそこだ。

私は好きなことをしての山奥暮らしをしていたにも関わらず、ずっとそこに居続けると閉塞感を抱えるようになる。

山から降りてきて、自宅方面に戻る。
ぱあっと開けた海(港でも海岸でもコンビナートでも構わない。とにかく海!)を感じた瞬間、閉塞感が吹っ飛ぶ。入れ物の中で蓋をされている、その蓋が外れて外気が流れ込んできた感覚だ。
実際に海が見えてなくても構わない。この先に海がある、と感じるだけでいい。

逆に山奥だけでなく、盆地も感覚的には閉塞感を覚える。父が単身赴任していた京都、免許合宿していた山梨。周りが全て山に囲まれて抜けがない。辛い…。

おそらく、子どもの頃から育ってきた場所が、
川崎、(堺)大阪、(船橋)千葉、横浜、と全て海を感じる環境だったことが大きいんだと思う。

なのでもし私が僻地ニートになるなら
離島ニートとか、海が見える山ニートがいい。
これはもう本能的生息環境選択の話で、
いいとか悪いとかではないのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーエッセイここまで。

この作品の意図

義父が(まだ存命)
俺の墓は海が見えるところがいい。とずっと言っている。義父は有明海そばで育ち、自衛隊員で佐世保に配属、その後留萌に配属、一時は横須賀などにも来ていたらしく、海のそばが落ち着くという話にとても共感し、なんで共感したのか掘り下げたところで出てきた感覚の話で描きました。

追伸

ふみサロ10月のベストワンに選んで頂きました( ́•ૢ⌔•ૢ ̀)♡
ありがとうございました!(´▽`)✨🙏🙏✨

皆様に感謝🙏🙏´-

 

追追記
2023年1月1日、義父、享年85歳で逝去いたしました。
目下海の見えるお墓を探し中であります。/)`;ω;´)