課題本:空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑 荒木 健太郎
ソラミスキー、クモミスキー。
2022/1/11 21:15
「わーい雪だ」
予報通り雨は雪に変わった。粒がどんどん成長し、街を白く閉ざしていく。
人が消え、車が消え、音のない世界。
すべてが白いふわふわで覆われ、時間が消える。
20歳を迎えた私は雪の上にいた。
成人式も誕生日もどうでもいい。今ここで死んでも本望だ。
雪山でひたすら毎日過ごすことが願い続けた自分らしい幸せだった。
幼い頃から始めたスキー。
競泳とスキー、体操とスキー、いつもスキーは2番目の種目。
そこだけに専念出来るようになったのは念願の大学合格から。
スキージャーナル誌でいつも見ていた先輩の名前を頼りに、入学即入部しに行った。
そして、年間100日山にいるスキーオンリー生活を手に入れた。
出会った同期、先輩、後輩とまさに喜怒哀楽、青春そのものの4年を過ごし、卒業後もスキー仲間と週末ごと山に行く生活は、同期生との関係が破綻するまで10年超続いた。
その後結婚、娘が生まれ、息子が生まれ、さらに息子が生まれ、
ようやくスキーに復帰してみたものの、楽しさより大変さが上回り(体力的にも経済的にも)
家族で行ったのはそれが最初で最後になった。
以来、もう15年以上行っていない。
この先行く事があるか、その気になるのかも分からない。
あんなに好きだったのに。
あんなに青春をかけていたのに。
スコップを肩に、雪かきをしに歩を進める。
足元で積もりたての雪がキュッキュッと鳴る。踏んだ感触の心地良さ。頬が緩み1人ニマニマ。
と、ズルリン!溶けかけの端に足を取られ、あっという間にひっくり返った。
天を仰いで道路に大の字。
雪に埋もれて見上げた空に浮かぶ雲と星。
遠いなあ。
宇宙(そら)から見たら、
人なんて雪粒よりも小さい小さい、点にも満たない見えない小さな粒。
あっという間に消えてなくなる儚い存在。
それでも結晶になった瞬間は、確かに存在していたんだ。
宇宙(そら)の上からみえますか?
私の積もった時間、記録されてますか?
上記 提出版、!
城村賞🏅いただきましたm(*_ _)m
実は、山下達郎とユーミンが裏に流れてます。
わっかるかなぁ~?
★1月の印象深い作品ベスト1
前回の定例会アンケートでの「印象深い作品ベスト1」にも選ばれました。
ありがとうございます😭✨✨
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