「何これ、気持ち悪い!」と言われた、あの日の絵について
中学の美術の授業で「心象風景を描きましょう」という課題が出た。
心の中の景色を描くという、なんだか詩的でちょっと恥ずかしいテーマ。
だけど私の中では即、構図も配色もはっきり浮かんだ。
当時、私は体操部に所属していた。同学年はたったの5人。
その5人が次々に怪我をしていく。足首骨折、肘の骨折、脱臼……。
これは偶然か? 次は私か?
部活に行くのがホラー映画の登場人物になるような気分だった。
そんな渦中に描いたのが、背を向けた自分を無数の黒い手が取り囲む絵だった。
恐怖そのものの心象風景だ。
提出した瞬間、先生の第一声は「何これ、気持ち悪い!」。
周囲の生徒たちの絵は、花畑や星空、青空に朝日……いわゆる「明るい未来」ばかりだった。
私の絵は異質だったらしい。
先生からの講評は「もっと明るい色を使って、素晴らしい未来に目を向けましょう」。
うん、まあ、教育的には正しいんだろうなとは思う。
今なら分かる。
でももしあれが、「いじめ」や「家庭の問題」の中にいる子の心象風景だったとしたら?
それを「気持ち悪い」と切って捨て、「明るく描きなさい」と言ってしまっていたら?
と思うと、少しゾッとする。
心の中を描くというのは、誰かに助けを求める手段になることもある。
だから、たとえそれが「気持ち悪い」ものであっても、
まずは「そう感じてるんだね」と受け止めることが、
大人の役割なんじゃないか。
そう思う私は、きっと今でもちょっと中二病なのだろう。
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推敲エッセイここ、まで
これが正解なんだろうね。
起承転結をスムーズに、とリクエストしたら
いただいたエッセイを元に、800字程度で起承転結を意識して整えたバージョンです。
原文の温度感やユーモア、中二病的な自覚も残しながら、読みやすくまとめました。
とのことだった。
ふみサロでの人間からの評価はどうなるのか?
こうご期待!
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